今日は十五夜。
皆さんのところでは、お月様が見えていますか?
秋田は、残念ながら夕方からぱらぱらと雨が降り出しました。
残念ですが、お供えを準備して厚い雲の向こうのお月様を拝みます。
結婚して初めてのお月見。お供え支度をしていると、母が酒蔵の裏に生えているススキを取って、空の一升瓶に In! 「えっ!一升瓶に?」と目を丸くした私に「造り酒屋だから ね。」と可愛い母の笑顔。
「子供の頃からずっとこれなのよ」と母は話してくれました。
我が家では、正月から年末まで代々継承している年中行事の何と多いこと。
その中で、茶色の一升瓶の活躍に笑ってしまいました。
その時々に、道具を仕舞っている蔵へ行き、真っ黒になった箱を出してきます。手間が掛かって大変ですが、行事の殆どには食べることが付いてきます。母が言うには、どの行事も楽しくやりましょうと教えてくれました。
今の新型コロナウイルス禍で、何かと落ち着かない私たちの生活ですが、自然は何一つ変わること無くゆったりと流れていきます。
廻る季節。自然の営み。圧倒的な存在の宇宙。
私たちは大きな力で守られています。
間もなく稲刈りは終えたら、蔵人達は酒蔵へ入ります。秋田の寒い冬の酒造りが始められることに、お月様へ手を合わせます。『あっ、お月様が見えてきた!』
