秀よし ブログ

秋田で培われた三百二十余年の歴史を受け継ぐ鈴木酒造店の酒造り

酒蔵日記


鈴木酒造店 秀よし 社長画像

青天の霹靂

(※上の画像は別の年に執り行われた際のものです。)

私が子供の頃の話です。
酒蔵の敷地のずうっと奥の方に、小さなお社がありました。
お社の後ろには、太くて立派な枝垂桜のご神木が生えていたのを覚えています。
周囲には柿の木が何本かあって、秋の柿もぎが楽しみな場所でした。

その頃、お酒の製造が増えたため、百石タンクを六本設置することになりました。
そのため、どうしてもお社を移動しないとならなくなりました。
当日は恭しく神事を執り行われ、厳かな雰囲気の中で移設作業が始まりました。
神主がお神酒徳利を手にお酒を四方に撒き、次に色とりどりの細かな四角い紙が風に舞い、結界の廻りは花が咲いたように綺麗でした。
それはまるで、秋晴れを絵に描いたような青空と、高くて白い雲が印象に残る好日が記憶にあります。

長く感じた神事が終わり、とうとう樵によってご神木に斧が入りました。
その刹那、突風が吹き荒れたかと思うと黒い雲が沸き上がり、直ぐさま激しい稲光りと雷鳴が轟きました。
ほんの一分足らずの間のことです。
不思議と雨が降ることも無く、ただ夕闇のような暗がりの中を猛烈な風が吹き荒れ、止まぬ稲光りは激しさを増し、恐ろしい轟音が鳴り響くのです。
幼い私は、恐ろしさを超えて不思議な光景に立ちつくすのみでした。

この光景は私が幼いゆえに、デフォルメされた映像が私の脳裏に焼き付いたものと思っていましたが、ある日母にこの話しをしたら覚えているとのこと。
とても恐ろしい光景だったと言うのです。
あれは本当にあった事だと知り、強烈な記憶にあらためて恐怖を感じます。

人智を超えた何かに触れた気がする、ある日の出来事でした。

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